取引相場のない株式の評価方法は
非上場会社の株式は株式市場などで取引されることはないため、
相続や贈与などで取引相場のない非上場株式を取得した場合は、
評価額を算定する必要があります。
◆原則的評価方式に該当する場合は
取引相場のない株式の評価方法は、
その株式を取得した方が経営支配力を持っている同族株主等であれば原則的評価方式、
それ以外の株主等であれば特例的な評価方式(配当還元方式)により評価します。
原則的評価方式に該当する場合は、会社の規模に応じて、
①類似業種比準方式(事業内容が類似する複数の上場会社の株価の平均値に比準する方式)、
②純資産価額方式(会社が解散した場合の正味財産に基づいて評価する方式)、
③併用方式(①と②を併用する方式)を用います。
会社の規模は大・中・小会社に区分され、従業員数70人以上は大会社、
70人未満の場合は総資産価額、従業員数、取引金額の基準により判定することになり、
原則として、大会社は①、中会社は③、小会社は②の方式により評価します。
◆少数株主の場合は配当還元方式で評価
非上場株式を同族株主以外の方が取得した場合は、
会社の規模にかかわらず特例的な評価方式である配当還元方式で評価します。
この配当還元方式とは、過去2年間の平均配当金額を10%の利率で割り戻して、
株式の価額を評価する方式です。
なお、保有する資産の大半が株式や土地等である会社や、
開業前又は休業中の会社など「特定の評価会社」に該当する場合は、
原則として純資産価額方式で評価します。