投稿日: 2023年12月13日
カテゴリー: オンライン週刊フジ

来年から使い勝手が向上する「相続時精算課税」

令和6年以後の贈与から、

相続時精算課税にも基礎控除が創設されるなどの見直しが行われます。

◆現行の相続税精算課税は

相続時精算課税は、

原則として60歳以上の父母・祖父母などから

18歳以上の子・孫などが贈与を受ける場合に

暦年課税に代えて適用できる制度です

(贈与税の申告期限までに届出書の提出が必要)。

本制度を選択した贈与者(特定贈与者)から受けた贈与財産は

累計2500万円まで贈与税が非課税(超過分には一律20%の課税)となりますが、

特定贈与者が亡くなった際に本制度を適用したすべての贈与財産を相続財産に加算して

相続税を計算することになります。

本制度は贈与者ごとに選択することができますが、

選択した年分以降、

特定贈与者からの贈与は暦年課税(基礎控除110万円)に戻すことはできません。

また、現行では特定贈与者から贈与を受けた場合は

少額でも贈与税の申告をする必要があります。

◆令和6年から基礎控除などを創設

改正により相続時精算課税についても年110万円の基礎控除が創設され、

令和6年1月以後に特定贈与者(令和5年分以前に本制度を選択した場合も含む)から

贈与を受けた財産について適用されます。

これにより、本制度を選択した特定贈与者からの贈与が年110万円以下の場合は

申告が不要となります。

また、特定贈与者が亡くなった際に基礎控除分の贈与財産は相続財産に加算されません。

このほか、特定贈与者から贈与を受けた

土地又は建物が災害によって一定の被害を受けた場合は

相続時に価額を再計算する特例も創設されます。


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