中小企業向け賃上げ促進税制の拡充
今年度税制改正で「賃上げ促進税制」が拡充され、
中小企業向け制度は繰越控除措置の創設などが行われました
(本年4月以後開始事業年度から適用)。
◆上乗せ措置を新設し、最大45%の税額控除
中小企業向け賃上げ促進税制(資本金1億円以下の中小企業者等が対象)は、
全ての国内雇用者に対する給与等支給額を前年度比1.5%以上増加させた場合に
増加額の15%を法人税(個人事業主は所得税)から税額控除でき、
前年度比2.5%以上増加させた場合は30%の税額控除となります。
改正により、教育訓練費に係る上乗せ措置の要件が緩和され、
教育訓練費を前年度比5%以上増加させた場合は控除率を10%上乗せします。
さらに、仕事と子育ての両立支援に取り組む企業に対する「くるみん」認定や、
女性活躍支援に取り組む企業の「えるぼし」認定を受けている場合に、
控除率を5%上乗せする措置が新設されました。
◆控除しきれない金額は5年間繰越しが可能に
上記により、最大で給与等支給増加額の45%を税額控除できるようになります
(控除額は当期の法人税額又は所得税額の20%が上限)。
また、繰越控除措置が創設され、
本制度の適用要件を満たす賃上げを実施した年度に控除しきれなかった金額を
最長5年間繰越すことが可能になりました。
これにより、赤字で法人税額が0円の場合や、
控除額が控除上限を超える場合などに未控除額を翌年度以降に繰越すことができます。
なお、繰越税額控除を適用する事業年度において、
全雇用者の給与等支給額が前年度より増加していることが必要となります。