退職手当等に係る課税の取扱い
来年度税制改正に向けた議論が始まり、
以前から検討課題とされていた退職金課税の見直しについても取り上げられています。
◆退職所得控除を差し引いた額の1/2に課税
退職時に会社から支払いを受けた退職手当等は、
長年の勤労に対する報償的給与として一時に支払われるものであるため、
税金の取扱いが優遇されており、
課税される退職所得金額は退職手当等の金額から
勤続年数に応じた退職所得控除額を差し引いた額の1/2で、
他の所得と分離して課税します【退職所得=(退職手当等-退職所得控除額)×1/2】。
退職手当等から差し引く「退職所得控除額」は、
勤続年数20年まで1年につき40万円、
20年超の部分は1年につき70万円となり、
例えば、勤続年数30年の退職所得控除額は1500万円です
(勤続年数に1年未満の端数がある場合は1年に切り上げ)。
◆「特定役員退職手当等」や「短期退職手当等」
退職手当等の取扱いは上記のとおりですが、「特定役員退職手当等」や
「短期退職手当等」に該当する場合の退職所得は計算方法が異なります。
◎特定役員退職手当等……
役員等として勤務した期間が5年以下の方が
役員等勤続年数に対応する退職手当等の支払を受けた場合、
退職所得は退職手当等から退職所得控除額を差し引いた額となり、
1/2課税は適用されません。
◎短期退職手当等……
役員等以外の者として勤務した期間が
5年以下の方が短期勤続年数に対応する退職手当等を受けた場合、
退職所得は退職手当等から退職所得控除額を差し引いた額のうち
300万円を超える部分について1/2課税は適用されません。