4月から中小企業も義務となるパワハラ防止措置
本年4月から改正労働施策総合推進法が全面施行となり、
中小事業主にも職場におけるパワーハラスメントの防止措置を講じることが義務付けられます。
◆職場におけるパワハラとは
職場におけるパワーハラスメントとは、
①優越的な関係を背景とした言動であって、
②業務上必要かつ相当な範囲を超えた言動により、
③労働者の就業環境が害されることで、この3要素を全て満たす場合をいいます。
客観的に業務上必要かつ相当な範囲で行われる適正な業務指示や指導は該当しません。
①優越的な関係を背景とした言動とは……
職務上の地位や人間関係などの優位性を背景とした言動です。
②業務上必要かつ相当な範囲を超えた言動とは……
業務上明らかに必要性のない言動や、
その態様や手段が許容範囲を超える言動などです。
③就業環境が害されるとは……
精神的・身体的苦痛を与えられ、就業する上で支障が生じることです。
◆代表的な言動の6つの類型
パワハラに該当するかの判断は、
様々な要素(言動の目的や経緯など)を総合的に考慮しますが、
代表的な言動の類型は、
①身体的な攻撃(暴行・傷害)、
②精神的な攻撃(名誉棄損・侮辱・ひどい暴言)、
③人間関係からの切り離し(隔離・仲間外し・無視)、
④過大な要求(明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制)、
⑤過小な要求(合理性なく能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じる)、
⑥個の侵害(私的なことに過度に立入る)があります。
例えば、②は人格を否定する言動などが該当しますが、
遅刻など社会的ルールを欠いた言動が
改善されないため強く注意する場合などは該当しません。