本年4月施行の土地利用に関する民法改正
本年4月から土地等の利用に関する民法の改正が施行され、
主に次のような見直し等が行われます。
◎土地・建物に特化した財産管理制度の創設……
調査を尽くしても所有者やその所在が知ることができない
所有者不明土地・建物や、所有者の管理が
適切に行われず他人の権利・法的利益を侵害する
管理不全土地・建物について、
利害関係人が地方裁判所に申し立てることで、
その土地・建物の管理を行う管理人を
選任してもらうことができるようになります。
◎共有制度の見直し……
共有状態にある不動産など、
共有物の利用や共有関係の解消をしやすくするため、
例えば、*共有物に軽微な変更を加える場合に共有者全員の同意は不要となり、
持分の過半数で決定できる、
*所在等が不明な共有者がいる不動産について、
他の共有者は地方裁判所の決定を得て、
その持分の取得や不動産全体を第三者に譲渡できる、
などの見直しが行われます。
◎遺産分割に関する見直し……
相続開始(被相続人の死亡)から10年を経過した後にする遺産分割は原則、
個別の事情(生前贈与や療養看護等の特別の寄与など)を考慮した具体的相続分ではなく、
法定相続分(又は遺言による指定相続分)によって画一的に行うこととされました。
施行前に開始した相続についても適用されますが、
既に10年経過している場合などは、
施行から5年間の猶予期間があります。
◎相隣関係の見直し……
隣地の所有者や所在が不明な場合などにおいて
隣地を円滑・適正に使用できるように、
隣地使用権やライフライン設備の設置・使用権、
境界線を越える竹木の枝の切取りに関するルールの整備・見直しが行われます。