中小向け「賃上げ促進税制」を適用する場合
政府が閣議決定した「骨太の方針2025」では、
「賃上げこそが成長戦略の要」としており、
中小企業にとって賃上げ促進税制は益々重要となります。
◆繰越控除措置がある中小向け賃上げ促進税制
中小企業者等が雇用者の給与等支給額を前年度比1.5%以上増加させた場合、
増加額の一定割合を法人税(個人事業主は所得税)から
税額控除できる中小企業向け「賃上げ促進税制」が適用できます。
令和6年4月以後に開始する事業年度(個人事業主は令和7年以後)では、
前年度比1.5%以上で増加額の15%、
前年度比2.5%以上で30%となり、
上乗せ措置(教育訓練費の増加、くるみん・えるぼし認定)の適用で
控除率は最大45%となります(ただし、法人税額等の20%が控除上限)。
なお、赤字のため控除する税額がない場合や、
控除上限を超過する場合に、
控除しきれなかった額は翌年度以降5年間繰り越すことが可能です。
◆本税制における留意点等
◎雇用者給与等支給額……
全ての国内雇用者に対する給与等の支給額をいいますが、
使用人兼務役員や役員の特殊関係者に対する給与等は除きます。
◎教育訓練費に係る上乗せ措置……
適用事業年度に国内雇用者の教育訓練費が
①前年度比5%以上増加していること、
②雇用者給与等支給額の0.05%以上であることを満たす場合は
税額控除率を10%上乗せしますが、
前年度の教育訓練費が0の場合は②の要件を満たせば適用できます。
◎繰越控除措置……
翌年度以降に繰り越した額を税額控除する場合は、
その事業年度に雇用者給与等支給額が前年度より増加していることが必要です。