平成30事務年度における所得税の調査
◆61万件の調査で9千億円の申告漏れを把握 国税庁によると、 平成30事務年度(平成30年7月~令和元年6月)に実施した 所得税の調査件数は、実地調査が7万4千件、 簡易な接触(文書や電話、来署依頼)が53万7千件で、 合計61万1千件のうち37万4千件に申告漏れ等の非違があり、 9041億円の申告漏れ所得金額が把握されました。 なお、申告漏れ所得金額のうち、 実地調査によるものは6024億円(1件当たり819万円)、 簡易な接触は3017億円(同56万円)となっています。
◆海外取引やネット取引等での申告漏れに注意 国税庁では、富裕層や無申告者をはじめ、 海外取引、ネット取引などに対する調査を積極的に行っています。 また、情報収集を強化するため、 今年度税制改正において、 高額・悪質な無申告者等を特定するための情報を 事業者等に求める仕組みが整備されました(令和2年1月以後に適用)。
◎海外取引…… 居住者は、海外で得た所得も原則、申告する必要があります。 なお、年末時点で5千万円超の国外財産を保有している場合は、 「国外財産調書」の提出が義務付けられています。
◎ネット取引…… ネットオークションやフリマアプリなどを利用した個人取引や、 仮想通貨取引、動画配信、 ネット広告などで所得を得た場合は申告が必要です。 なお、給与所得者は、給与所得以外の所得が20万円を超える場合、 申告が必要となります。
◎金地金等の譲渡…… 金やプラチナを売却して譲渡益が生じた場合は原則、 総合課税の譲渡所得として課税されます。 なお、200万円超の取引は税務署に支払調書が提出されています。 |