令和5年度改正による贈与制度の見直し
令和5年度税制改正では、
贈与に係る課税制度について次のような見直しが行われ、
令和6年以後の贈与について適用されます。
◆暦年課税における生前贈与加算の見直し
贈与を受けた年ごとに課税(基礎控除110万円)する「暦年課税」について、
贈与者が亡くなった際に贈与を受けた財産を相続財産に加算する期間が見直されます。
現行、被相続人から相続開始前3年以内に贈与を受けた財産は相続財産に加算されますが、
この加算期間を相続開始前「7年以内」に拡大します。
ただし、延長される4年間(相続開始前3年超7年以内)における贈与については、
総額100万円まで相続財産に加算されません。
なお、改正は令和6年以後の贈与に適用されるため、
令和9年以後の相続から3年を超える加算期間となります
(7年間となるのは令和13年以後)。
◆使い勝手がよくなる相続時精算課税
贈与税・相続税を通じた課税を行う「相続時精算課税」は、
原則60歳以上の父母・祖父母などから18歳以上の子・孫などに対する贈与の場合に、
暦年課税に代えて適用できる制度です
(選択した贈与者が亡くなるまで適用されます)。
改正により、本制度を適用した場合でも年110万円まで課税しない基礎控除が設けられ、
年110万円以下の贈与は申告不要となります(相続財産に加算されません)。
また、本制度により贈与を受けた土地・建物が災害により一定以上の被害を受けた場合は、
相続時に課税価格を再計算する見直しが行われます。