投稿日: 2024年3月6日
カテゴリー: オンライン週刊フジ

働きながら受給する「在職老齢年金」

60歳以降に在職(厚生年金保険に加入)しながら受給する老齢厚生年金を

「在職老齢年金」といい、賃金と年金額の合計額に応じて、

年金額の一部又は全部が支給停止となる仕組みが設けられています。

◆支給停止調整額を超える場合に支給額が減額

年金制度改正により令和4年4月以降、

65歳未満と65歳以上の在職老齢年金の支給停止額は同じ仕組みで計算されることになり、

①総報酬月額相当額(標準報酬月額+直近1年間の標準賞与額÷12)と、

②老齢厚生年金の基本月額(年金額÷12)の合計額が

支給停止調整額(令和5年度は48万円)を超える場合に、

超える部分の1/2が年金支給月額から停止となる金額になります。

70歳以上で厚生年金適用事業所に勤務されている方については

厚生年金保険の被保険者ではありませんが、同様に在職中の支給停止が行われます。

◆令和6年度から支給停止調整額は50万円に

在職老齢年金の支給停止の基準となる「支給停止調整額」は、

現行48万円となっていますが、

名目賃金の変動に応じて改定され、

令和6年度は50万円に引上げとなります。

これにより、上記①と②の合計額が50万円を超える場合に支給停止額が生じることなります。

なお、在職老齢年金の支給停止は老齢厚生年金に対して行われる制度であり、

老齢基礎年金は支給停止の対象外です。

また、老齢厚生年金に加給年金額(被保険者に生計を維持されている配偶者又は子がいる場合)が

加算されている場合、

上記②から加給年金額を除いて計算します

(計算の結果、全額支給停止となる場合は加給年金額も全額支給停止)。


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