投稿日: 2019年10月24日
カテゴリー: オンライン週刊フジ

相続放棄等をする場合の「熟慮期間」

政府は、台風19号による災害を

「特定非常災害」に指定しました。

これに伴い、被災者の権利や利益の保全等を図るため、

運転免許などの許認可等に係る有効期限の延長や、

期限内に履行されなかった届出等の義務の猶予など、

行政手続きに関する特別措置が適用されます。

この特別措置により、

相続放棄等の熟慮期間についても延長が行われます。

◆「相続放棄」と「限定承認」

被相続人(亡くなった方)の財産を相続する場合に、

相続人は現預金や土地等の財産だけではなく、

借金等の債務も含めて相続することになります。

これを「単純承認」といいます。

一方、借金等の債務が財産より明らかに多い場合などは

「相続放棄」をすることで、

被相続人の全ての財産と債務を引き継がないことができます。

また、借金等が不明な場合などに、

相続で得た財産を限度として債務を引き継ぐ

「限定承認」という方法もあります

(手続きが煩雑なため注意が必要)。

◆相続放棄等をする場合の「熟慮期間」

相続人が相続放棄や限定承認を選択する場合は原則、

「相続の開始があったことを知った時から3ヵ月以内」に

家庭裁判所でその旨を申述する必要があり、

この期間を「熟慮期間」といいます。

今回の特別措置では、

特定非常災害発生日(令和元年10月10日)において、

災害救助法が適用された区域に住所を有していた相続人を対象に、

熟慮期間が令和2年5月29日まで延長されます。

なお、熟慮期間内に相続放棄等をしなかった場合は原則、

単純承認をしたものとみなされます。


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