知っておきたい遺言書の基礎
遺言は自身が亡くなった後に財産をどのように受け継いでほしいかを意思表示するもので、
基本的に遺言書の内容に基づいた財産の分配が行われます。
◆遺言書の種類とメリット・デメリット
遺言書には主に次の3種類があり、それぞれメリット・デメリットがあります。
◎自筆証書遺言……
本人が遺言の全文を手書きで作成する遺言書です(財産目録はパソコン等で作成可能)。
費用がかからず手軽に作成できますが、
不備により無効となる場合や自宅で保管していれば偽造や改ざんなどのおそれもあります。
また、遺言者が亡くなった後、
遺言書を開封する際は家庭裁判所に提出して検認を受ける必要があります。
なお、令和2年7月から自筆証書遺言書を法務局に預けることができる
「自筆証書遺言書保管制度」が利用できます。この場合、検認手続は不要です。
◎公正証書遺言……
公証役場等で遺言の内容を公証人に述べて、
公証人がその内容を記載して作成する遺言書です。
その際に2人以上の証人の立ち会いが必要となり費用もかかりますが、
遺言書が無効になるリスクは低く、
公証役場で保管されるため改ざん等のおそれはありません。
また、家庭裁判所での検認も不要です。
◎秘密証書遺言……
公証役場で2人以上の証人の立会いの下、
遺言の内容を秘密にしたまま遺言書の存在のみを公証人に証明してもらう遺言書です。
作成した遺言書(自書以外も可能)の内容を第三者に知られませんが、
不備があれば無効になるおそれがあり、本人が保管する必要があります。
また、開封する際は家庭裁判所での検認手続が必要です。