税法上、貸倒損失を計上できるケースは

取引先の倒産や経営不振などにより売掛金などの債権が回収不能となった場合、
税法上、貸倒損失として損金に算入できますが、
貸倒損失に計上できるケースは限られています。
◆貸倒損失が認められるケースは
貸倒損失が認められるのは次のケースに該当する場合です。
回収の可能性が低いというだけで貸倒損失が認められるわけではありませんので、
回収不能に至った根拠となる証拠書類などが重要となります。
◎金銭債権が切り捨てられた場合……
①会社更生法や民事再生法などの法的手続きにより切り捨てられた金額、
②債権者集会などによって切り捨てられた金額、
③債務者の債務超過が相当期間継続し弁済を受けることができない場合に、
債務者に対して書面で債務免除をした金額が該当し、
その事実が生じた事業年度に貸倒損失として計上できます。
◎金銭債権の全額が回収不能となった場合……
債務者の資産状況、支払能力等から全額回収できないことが明らかになった場合、
明らかになった事業年度において貸倒損失を計上できます
(担保物がある場合は処分後でなければ計上できません)。
なお、連帯保証人がいる場合は、連帯保証人の支払能力等を勘案して
回収不能かどうかの判断をします。
◎一定期間取引停止後弁済がない場合等……
売掛債権(貸付金などは含みません)について、
①継続取引を行っていた債務者との取引停止後、
1年以上経過しても弁済がない場合や、
②売掛債権の総額が取立費用より少なく、
支払を督促しても弁済がない場合は、
売掛債権の額から備忘価額を控除した残額を貸倒損失として計上することができます。


