投稿日: 2020年6月11日
カテゴリー: オンライン週刊フジ

来月10日施行、自筆証書遺言書保管制度

◆法務局で自筆証書遺言書の保管が可能に

民法の相続に関するルールを大幅に見直した相続法の改正は、

①自筆証書遺言の方式緩和(平成31年1月13日施行)、

②預貯金の払戻し制度、遺留分制度の見直し、

特別の寄与の制度など(令和元年7月1日施行)、

③配偶者居住権の創設など(令和2年4月1日施行)と段階的に施行されています。

また、相続法の改正とともに成立した遺言書保管法が本年7月10日から施行となり、

法務局において自筆証書遺言書を保管する制度が開始されます。

自筆証書遺言は現状、自宅で保管するケースが多いことから、

紛失や亡失、相続人による遺言書の廃棄、隠匿、

改ざんのおそれがあるなどの問題がありますが、

法務局に自筆証書遺言を預けることが可能になり、

保管された遺言書は家庭裁判所の「検認」が不要となります。

◆遺言者と相続続人等が行う主な手続き

遺言書の保管は全国の法務局で取り扱われ、

遺言者の住所地や本籍地、

又は遺言者が所有する不動産の所在地を管轄する法務局に対して申請できます。

なお、遺言者が亡くなる前に本人以外が保管した遺言書の閲覧等を行うことはできません。

遺言者が亡くなった場合、

相続人等は法務局に遺言書保管事実証明書の交付を請求することで

遺言書が保管されているかを確認することができ、

保管された遺言書がある場合は、閲覧請求等ができます。

閲覧等が行われた場合は、

その方以外の相続人等に対して遺言書が保管されている旨が通知されます。

なお、保管の申請や閲覧請求などは手数料がかかり、

全ての手続きに予約が必要となります。


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