投稿日: 2022年6月9日
カテゴリー: オンライン週刊フジ

役員に対する給与(定期同額)の取扱い

法人の役員に対する給与は一定の制限があり、

損金に算入するためには定期同額給与や、

事前確定届出給与などに該当する必要があります。

◆定期同額給与を改定する場合は

定期同額給与とは、

支給時期が1ヵ月以下の一定期間毎で、

その事業年度中の支給額が同額であるものをいいます。

支給額を改定するには原則、

事業年度開始から3ヵ月以内に行う必要があり、

通常は決算後の定時株主総会により支給額を改定します。

利益調整目的や一時的な資金繰りなどで

事業年度中に役員給与の支給額を改定した場合は、

定期同額に該当しなくなるため、

損金不算入となる金額が生じることになります。

ただし、経営状況の著しい悪化などで

支給額を減額せざるを得ない事情(業績悪化改定事由)がある場合は、

事業年度中の改定でも損金算入が認められます。

また、職制上の地位の変更や

職務内容の重大な変更などのやむを得ない事情(臨時改定事由)により

改定する場合も損金算入が認められます。

◆役員として扱われる「みなし役員」とは

このように給与の損金算入が制限される税法上の役員には、

取締役や監査役などの会社法等で規定された役員だけではなく、

以下の①又は②のいずれかに該当する方も

「みなし役員」として役員と同様の扱いになります。

①法人の使用人以外で、

経営に従事している方(例えば、取締役ではない会長や顧問など)

②同族会社の使用人のうち、

一定の持株割合を満たしており、

経営に従事している方(例えば、社長の親族が使用人として勤務している場合など)


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