申告期限までに遺産分割ができない場合は
◆遺産分割ができない場合でも期限までに申告
相続税は、相続等により取得した財産の価額
(債務などを控除し、相続開始前3年以内の贈与財産の価額を加算)が
基礎控除額「3千万円+600万円×法定相続人数」を超える場合に課税対象となり、
被相続人が死亡したことを知った日の翌日から
10ヵ月以内に申告・納税をすることになっています。
被相続人の遺言がない場合は相続人間で遺産分割協議を行って取得する財産を決めますが、
遺産分割が決まらない場合でも期限までに申告を行う必要があります。
この場合は、法定相続分の割合に従って
各相続人が財産を取得したものとして相続税を計算をして申告します。
なお、申告後に遺産分割が行われ、
その分割に基づき計算した税額と申告した税額が異なる場合は、
実際に分割した財産の額に基づいて修正申告又は更正の請求を行います。
◆未分割で申告した場合の特例の適用手続
相続税を減額できる特例には、
配偶者の税額軽減(配偶者控除)や小規模宅地等の特例などがありますが、
これらの特例は実際に遺産分割を行い取得した財産に適用されるため、
申告期限までに分割が行われていない場合は、特例の適用は受けられません。
この場合、相続税の申告書に
「申告期限後3年以内の分割見込書」を添付して提出することで、
相続税の申告期限から3年以内に分割した場合、
特例の適用を受けることができます。
また、相続等に関する訴えが提起されているなど
3年以内に分割できない一定のやむを得ない事情がある場合は、
承認を受けることで特例の適用を受けることが可能です。