事業承継税制における後継者要件の緩和
令和7年度税制改正では、
法人版事業承継税制の特例措置や個人版事業承継税制を適用して
贈与による承継を行う際の後継者要件が見直される予定です。
◆令和8年3月までに承継計画の提出が必要
法人版事業承継税制は後継者が非上場会社の株式等を贈与・相続等により取得した場合に
贈与税・相続税の納税を猶予又は免除する制度であり、
一般措置を拡充した特例措置(*全株式が納税猶予の対象、
*納税猶予割合は贈与税・相続税ともに100%、
*雇用確保要件が未達成でも猶予が継続可能など)は
令和9年12月末までの贈与・相続等について適用されます。
また、個人事業者の事業用資産の贈与・相続等が対象となる個人版の適用は
令和10年12月末が期限となります。
ただし、法人版特例措置や個人版の適用を受ける場合には前提条件として、
承継時までの経営見通し等を記載した承継計画を策定し、
令和8年3月までに都道府県へ提出することが必要となります。
◆改正により贈与時の後継者要件を緩和
これまで法人版の特例措置や個人版を適用して後継者に非上場株式等又は
事業用資産を贈与する場合、
後継者は「贈与の日まで3年以上継続して役員等であること
(個人版の場合は3年以上継続して事業等に従事していたこと)」が要件となっていましたが、
改正により役員等である期間を撤廃し
「贈与の直前において役員等であること」に見直されます。
この改正は、令和7年1月以後の贈与について適用される予定です。
なお、相続時における役員就任等の要件
(相続の開始直前に役員等であること)に変更はありません。