国会に提出された年金制度改革法案
今国会に年金制度改革法案が提出されました。
主に企業や労働者に影響のある改正は次のとおりです。
◎短時間労働者の社会保険適用拡大……
パート等の短時間労働者が社会保険(厚生年金・健康保険)の加入対象となる要件のうち、
賃金要件(月額8.8万円以上)を撤廃(公布から3年以内)するとともに、
企業規模要件(従業員数51人以上)を段階的に撤廃
(令和9年10月から対象企業を段階的に拡大し令和17年10月に撤廃)します。
これにより、短時間労働者(学生を除く)の所定労働時間が週20時間以上であれば、
「年収106万円の壁」や企業規模に関係なく社会保険の加入対象となります。
◎個人事業所の社会保険適用業種拡大……
令和11年10月から常時5人以上を使用する個人事業所は、
全業種を社会保険の適用事業所とします(施行時点で既に存在する事業所は当分の間、対象外)。
◎適用拡大に伴う支援措置……
令和8年10月から新たに社会保険の加入対象となる短時間労働者の保険料を3年間、
事業主が労使折半を超えて負担できることとし、
事業主の追加負担分は国などが支援する措置等を講じます。
◎在職老齢年金制度の支給停止基準額引上げ……
働きながら老齢厚生年金を受給している方の賃金と年金額の合計(月額)が
基準額(令和7年度は51万円)を超える場合、
超過額の1/2が支給停止となりますが、
令和8年4月から基準額を62万円に引上げます。
◎厚生年金保険等の標準報酬月額の上限引上げ……
厚生年金保険料等の算定に用いる標準報酬月額の上限(現行65万円)を
令和9年9月から3年かけて段階的に75万円まで引上げます。